一過性脳虚血発作(TIA)|B-Leafメディカル内科・リハビリテーションクリニック つくば市 内科 脳血管障害 脳梗塞 脳卒中


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一過性脳虚血発作(TIA)

前回脳梗塞のお話の時に、「一時的に起る脳梗塞や、脳梗塞の前触れというものに、一過性脳虚血発作(TIA)というものがあります。」とお伝えしたかと思います。

その、消えてなくなる脳梗塞である一過性脳虚血発作(TIA)に関してお話をします。

TIAとは、Transient(一過性の)Ischemic(虚血性の)Attack(発作)の頭文字ととったものです。

特徴的な症状もあるのですが、概ね脳梗塞と同じような症状がでます。

その症状が、2~30分くらい持続して、完全に消えるのがTIAです。長くても大体が1時間以内で消えますね。

古い定義だと24時間以内に消えた場合に、という定義ですが、実は画像検査が発達したおかげで(せいで?)、必ずしもそのような定義にはならなくなってきていますが、細かい所なので、あまり気にしなくていいと思います。

脳梗塞の症状

脳梗塞の症状は、前回お話したものを下に載せておきます。

  • 身体や顔の片側だけの、力が入らない、マヒする(片麻痺・運動障害・感覚障害)
  • うまく話せない、ろれつが回らない、他人の言うことが理解できない(構音障害・失語)
  • 力はあるのに、体がふらつく、めまいがする(失調)
  • 片方の目が見えない、物が二つに見える、視野の半分が欠ける(視野障害・複視・半盲)

これらの症状全てが起こりえます。

一過性黒内障

これらの他に、TIAに特徴的な症状に、「一過性黒内障」というものがあります。

黒内障というと、白内障や緑内障のような目の病気の親戚のように感じるかもしれませんが、眼にいく動脈(眼動脈)が一時的に詰まると突然片方の目が見えなくなってしまうというものです。

「黒」内障なのですが、真っ黒になることもあれば、真っ白になることもあるので、必ずしも黒ではないのですが、見えなくなるという意味で、そのように呼ばれています。

一過性でも、脳梗塞の前触れ

「でも、一過性ってことは、症状が良くなるからいいんじゃないの?」と思われる方もいらっしゃると思います。

ではなぜTIAが良くないのかというと、「脳梗塞の前触れ」であることがほとんどだからです。

脳梗塞の原因は、大まかに二つあって、一つは動脈が細く狭くなっていってしまう(=動脈硬化による)ものと、一つは別の所で血栓という血のかたまりが出来てそれが飛んで詰まってしまうものとお伝えしたと思います。(前回の脳梗塞の記事をご参照ください)

前者の場合、一時的に血圧がすとんと落ちた時に、十分な血流が狭くなった先に流れなくなる事で起こりうるし、後者の場合は、飛んできた血栓が小さくて、すぐ溶けた場合になりえます。

つまり、「症状が出る程度ではあるものの、非常に軽い脳梗塞」とも言えますね。

なので、その後本物の脳梗塞になってしまう事が非常に多いので、危ない、という訳ですね。

実際に、TIAを起こした人の10-15%が3カ月以内に脳梗塞になり、その半数は2日以内に発症しているといったデータもあるくらいです。

TIAになった人の10人に1人が2日以内に脳梗塞になってしまうって、結構な確率だと思いますよね。

TIAになってしまった場合にどうすればいいのか?

まずは何はともあれ病院を受診してください!

救急外来でいいと思います。

そこで、血液検査・血圧測定・心電図・MRI・頸動脈エコーなどを行って、原因となる病態が何かを探ります。

ABCD2スコア

その後2日以内に脳梗塞になってしまう可能性もそれなりにあるため、基本は入院加療ですが、重症度を判定する基準もあって、私達の間では「ABCD2スコア」と呼んでいます。

どんなものかというと、以下のようなものになります。

A Age 年齢 >60歳で1点
B Blood Pressure 血圧 >140/90で1点
C Clinical Feature 臨床所見 半身まひ2点、
まひのない言語障害で1点
D Diabetes 糖尿病 糖尿病持ちで1点
D Duration of symptoms 症状の持続時間 10分-59分で1点
60分以上で2点

この合計点数で、2日以内に脳梗塞になってしまう率がある程度推測できます。

以下のように、4点以上だと、急激に脳梗塞になってしまう確率があがるので、4点以上だと確実に入院加療となります。

ちなみに、米国のガイドラインでは3点以上が入院の適応になっています。

0~3点 1.0%
4~5点 4.1%
6点以上 8.1%

治療について

治療に関しては、脳梗塞の発症予防の治療を開始します。

薬物療法

動脈硬化からくるものであれば、アスピリンなどの抗血小板薬(こうけっしょうばんやく)というタイプの薬を開始し、どこかで血栓ができたタイプに関しては、ワーファリンやDOACと呼ばれる抗凝固薬(こうぎょうこやく)を開始します。

どちらも血をサラサラにするお薬と一般的には言われていますが、作用機序(さようきじょ)が違うので、使い分けが必要になります。

手術

他には、頚動脈(くびの脳に行く太い血管)が非常に狭くなっている場合には、頚動脈の中の狭まりを解除する(動脈硬化した部分を取り除く)手術(CEAやCASといいます)をおこなうこともあります。

参考)CEA・CASの概要 出典:医療法人社団誠心会誠心会病院HPより

まとめ

まとめです。

  • TIAとは、一過性脳虚血発作といい、脳梗塞と同じような症状が一時的に起こる病気です。
  • TIAは、大体1時間以内に消える事が多いです。
  • TIAは、脳梗塞の前触れの可能性が高く、10-15%が3カ月以内に脳梗塞になり、その半数は2日以内に発症してしまいます。
  • TIAになった場合に、重症度や脳梗塞の発症リスクを見積もる「ABCD2スコア」というものをつけます。
  • ABCD2スコアで、3~4点以上の場合には基本的に入院加療が必要です。
  • TIAの治療は、脳梗塞の発症予防で、血液をサラサラにする薬を投与開始すること以外に、頚動脈の中の狭まりを解除する手術をおこなうこともあります。
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