パーキンソン病|B-Leafメディカル内科・リハビリテーションクリニック つくば市 内科 脳血管障害 脳梗塞 脳卒中


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パーキンソン病

パーキンソン病は50歳以降に発症することが多い病気です。

しかし、中には40歳以下で発症するケースも存在し、この場合は若年性パーキンソン病と呼ばれます。

中脳(脳幹)の「黒質」にあるドパミン神経細胞が減少することで起こる病気で、ドパミン神経細胞はαシヌクレインというたんぱく質が凝縮して蓄積することにより減少するということが判明しています。

症状

パーキンソン病には運動症状と非運動症状があります。

①運動症状

4大症状として「静止時振戦(ふるえ)」「筋強剛(かたい)」「無動(おそい)」「姿勢反射障害(ころびやすい)」があります。

振戦(しんせん) じっとしている時に手足がふるえる「安静時振戦」が見られます。
手足だけでなく顎もふるえることがあります。
固縮(こしゅく) 筋肉の緊張が強くなり、手足の動きがぎこちなくなります。
関節が固くなり、他人が動かそうとしても抵抗があります。(歯車様)
寡動(かどう)、無動(むどう) 歩くときに最初の一歩が出にくくなったり、動作の開始に時間がかかり、動作そのものも遅くなります。
目のまばたきが減り、顔の表情が硬くなります。
字が小さくなります。(小字症)
姿勢反射障害 体を後方に押されると足が出ず、バランスを保持できなくなり、転びやすくなります。

日常生活においては歩行が障害されたり(前傾姿勢、小歩、すり足、進行するとすくみ足や突進歩行)、手の動作が不自由になったり(書字やボタンかけが困難、食事困難)、表情が乏しくなったり(仮面様顔貌)、声が小さくなったり、動作がゆっくりになってきます。

②非運動症状

  • 自律神経症状
    便秘や頻尿、起立性低血圧(立ちくらみ)・食事性低血圧(食後のめまいや失神)、発汗、むくみ、冷え、性機能障害
  • 認知障害
    いくつかの手順を踏む行動が計画できなくなる遂行機能障害(すいこうきのうしょうがい)、物忘れがひどいなどの認知症症状
  • 嗅覚障害
    においがしない
  • 睡眠障害
    不眠や日中の眠気
  • 精神症状
    うつ・不安などの症状、アパシー(身の回りのことへの関心がうすれてしまったり、 顔を洗う、 着替える、といったことをする気力がなくなったりする状態)、幻覚や錯覚、妄想などの症状
  • 疲労や疼痛、体重減少
    疲れやすい、肩や腰の痛み、手足の筋肉痛やしびれ、体重の減少

2012年8月に兵庫県難病相談センターが行ったアンケート調査の結果、多くの患者さんが歩行や移動困難(56.6%)などを感じていました。

また、便秘(60%)、体の一部が勝手に動く(=ジスキネジア45%)、会話困難(30%)、物忘れ(30%)、よだれ(30%)、体の痛み(28.3%)、意欲低下(23.3%)、睡眠障害(21.7%)といった症状も多いことが分かりました。

他に睡眠障害(21.7%)、排尿障害(20%)、幻覚(15%)、たちくらみ(15%)もみられました。

病気の経過年数でみると、便秘やジスキネジア、歩行や移動の困難は発病4年以内の初期の患者さんでも感じることが多い反面、発病4年以内では立ちくらみは少なく、幻覚はありませんでした。

病気の経過年数により出現する症状が異なることが分かります。

治療法

薬物療法

治療の主体は薬物療法であり、パーキンソン病の治療をしっかり行うことが基本です。

不足したドパミンの作用を補うドパミン系薬剤と、ドパミン不足によって乱れた神経のバランスを整える非ドパミン系薬剤があります。

手術療法

最善と考えられる薬物療法を施してもコントロールできない振戦に対して、脳深部刺激療法(DBS)という手術療法が検討されることがあります。

これは、脳に直接持続的に電気刺激を送ることで興奮状態の神経活動を抑制する方法です。

リハビリ

リハビリテーションは内科的かつ外科的な治療に加えて行うことで、症状の更なる改善やQOLの向上が期待できる治療法です。

リハビリテーションについて詳しくはこちらから

①リラクゼーション

肉体的・精神的な緊張をほぐしリラックスさせ、患者自身には解消できない筋肉のこわばり、つまり筋固縮の軽減を目的として行われます。

パーキンソン病に対して行われるアプローチには次のようなものが挙げられます。

  • 仰向けもしくは背もたれに寄りかかり楽な姿勢を取る
  • 介助を受けながら手首や足、そして体幹などの屈伸運動を行う
  • 一定のリズムで揺らしてもらう

上記に挙げたように、体幹の運動が非常に重要であり、リラクゼーションを行うことにより筋固縮が徐々に軽減されていきます。

他にも筋肉をほぐす体幹の運動としては「体を前後に倒す」「体を横に曲げる」「体を左右に回す」などの方法があります。

②ストレッチや柔軟体操

体の柔軟性を高め、筋肉を伸ばします。

運動前に行われるストレッチにも似ており、1回あたり20秒間のストレッチを2~3セット行うのが効果的です。

ストレッチでは肩と腕を動かすことが重要であり、首や体幹をねじる、もしくは伸ばすストレッチや、ももの裏をゆっくりと十分に伸ばすストレッチが重要です。

十分なストレッチを行うことで体の柔軟性が高まり、少しずつ体を動かしやすくなります。

③筋力増強訓練

弱ってしまった部分の筋力トレーニングを行います。

筋力トレーニングの内容としては、患者様一人一人に合った自重トレーニングやウェイトトレーニングなどが挙げられます。

特に重視されている部分は足の付け根(大腰筋)とももの筋肉(大腿四頭筋)です。

また、お腹の奥の筋肉(腹横筋)や背筋、おしりの筋肉(大臀筋)のトレーニングを行うことで前傾姿勢の予防にもつながります。

④生活動作訓練

動作に支障のある部分や症状に合わせた練習を行います。

筋肉のこわばりによって着替えや身だしなみ、食事、排せつ、入浴などの生活動作が難しくなります。

状態に応じて、ばね付きの箸などの自助具を用いることもあります。

動作緩慢の症状により、書く字が小さくなってしまう場合は罫線やマスなどを利用して大きな字を書く練習を行うこともあります。

字を書くときは、一文字一文字を声に出し、文字の大きさを意識すると良いでしょう。

⑤歩行訓練

パーキンソン病で見られる歩行障害には次のような特徴があります。

  • すくみ足:始めの1歩が出ない
  • 突進様歩行:歩いているうちに加速し、止められなくなる
  • 小刻み歩行:歩くときの歩幅が狭くなる

上に述べた症状を予防するためには、しっかりと体を起こし、一歩一歩を大きく踏み出すこと、そしてかかとからしっかりと地面を踏むことを意識することが大切です。

リハビリでは、メトロノームや「1、2、1、2」などの声掛けを利用し、リズミカルに歩く練習を行います。

歩幅に合わせ、床に一定間隔で線を引いておくと歩きやすくなることもあります。

⑥その他

構音障害(ことばを正確に発音することができなくなる、もしくは他の語音に置きかわってしまう障害)は、無動(動作緩慢)や筋固縮により生じる症状の一つです。

筋固縮が原因で、声が小さい・抑揚が乏しいなどの症状がみられることもあります。

また嚥下障害とは、食べ物を上手に呑み込めない状態のことです。

筋固縮により嚥下障害を起こすと、むせやすくなり食事をとることが難しくなります。

そのため、嚥下障害が引き起こされると食事の時間の楽しさが奪われてしまいます。

構音・嚥下障害に対するリハビリは次の通りです。

  • 呼吸筋の強化運動
  • 構音練習
  • 嚥下検査・嚥下訓練

発声練習も構音・嚥下障害のリハビリとして有効です。

発声練習では、語尾をはっきりとさせ、大きな声を出すことが大切です。

発声を行うときは、まず呼吸をしながら胸を広げます。

その後、背中を伸ばして大きく息を吐くと同時に声を出します。

この一連の動作は、構音・嚥下練習のみならず前傾姿勢の予防・改善にもつながります。

暮らしやすい環境を作る

前述したように、身の回りのものに工夫を施し、環境を整えることで日常生活を楽にすることが可能です。

例えばパーキンソン病の場合、すくみ足や小刻み歩行などの歩行障害がみられます。

この歩行障害の対策として、床にカラーテープなどで一定間隔に目印をつけておくなどの方法があります。

目印をつけることで転びにくくなり、歩行がしやすい環境を作ることができます。

また、小さな段差での転倒を防ぐ工夫として、段差マーキングという方法があります。

これは、段差に目立つカラーテープを張ることで段差の位置を強調する方法です。

車いすを使用する場合はクサビ状の板などを利用しスロープを作ります。

他にも、床に置いてあるものを減らす、電話や収納、ベッドなどの高さを調整する、コード類を固定するなどの工夫を施すことにより生活環境を整えることができます。

パーキンソン病になりやすい人の特徴

パーキンソン病になりやすい人は、以下の特徴があると言われています。

  • ①真面目で几帳面
  • ②融通がきかない
  • ③あまり社交的ではない
  • ④感情の起伏が少ない
  • ⑤運動習慣がない

パーキンソン病の予防

パーキンソン病の予防にはドパミンを増やすこと・減らさないことが大切です。

  • ドパミンを分泌させるためにも、運動の習慣を作りましょう。
  • ドパミンは、「嬉しい」「楽しい」などの快の感情を感じることで増やせるのでストレスを溜めないようにしましょう。
  • カフェインには、ドパミン神経細胞を保護する効果があるとされているので、カフェインや緑茶を摂取しましょう。
  • 他者と会話することで、一定ではないさまざまな感情を持てるため、外出の機会を設け他社と交流しましょう。

参考資料

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