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吐き気・嘔吐

気持ち悪くて吐きそうな状態のことを「吐き気」といいます。

また実際に吐いてしまうことを「嘔吐(おうと)」といいます。

吐き気・嘔吐は赤ちゃんから大人まで、誰にでも起こります。

「乗り物酔い」「食べすぎ・飲みすぎ」「ストレス」「異物の誤飲」などは、日常生活でよくある吐き気・嘔吐の代表例です。

他にも「消化管の機能障害」「脳・中枢神経系の病気」「糖尿病など全身疾患」「精神疾患」「妊娠中のつわり」「細菌やウイルスの感染」「毒物や薬剤」など、吐き気・嘔吐の原因はとても多いです。

日常生活でよくある吐き気・嘔吐と対処法

乗り物酔い

乗り物に乗りながらスマホや本を見ていると、身体に伝わる情報(揺れや速さ)と目から入る情報にズレが生じて、乗り物酔いが起こることがあります。

最初は頭痛やあくびが現れ、その後吐き気や嘔吐が現れます。

乗り物酔いになってしまったら?

乗り物酔いの症状が出たら、一旦乗り物から降りることが望ましいです。

難しければ、衣服のベルトや胸元を緩め、横向きに寝るとよいでしょう。

乗り物酔いにならないためには?

乗り物に乗る前日はよく睡眠を取り、当日は食べ過ぎ・飲みすぎを控えましょう。

市販の酔い止めを飲むのも有効です。

乗り物に乗るときは、窓側や前方など外がよく見える座席に座り、遠くの景色を眺めたり窓を開けたりして外の空気を吸うようにするとよいでしょう。

食べすぎ・飲みすぎ

食べすぎ・飲みすぎで吐き気や胸やけを感じることがあります。

またお酒を飲みすぎると、アルコールが体内でうまく分解されずに気分が悪くなることがあります。

食べすぎで吐き気・嘔吐が現れたら?

安静にして、症状が良くなるまで休息を取りましょう。

激しい運動は控え、体調が良くなってきたら歩くなどの軽い運動を徐々に開始しましょう。

お酒の飲みすぎで吐き気・嘔吐が現れたら?

安静にして衣服を緩め、水分を取るなどして様子を見ましょう。

一度に大量のアルコールを飲むと急性アルコール中毒になる危険性もあります!

飲みすぎは控えましょう。

妊娠

妊娠により吐き気・嘔吐の症状が出ることがあります。

いわゆる「つわり」の症状です。

妊娠かなと思ったら?

心当たりがある場合は妊娠検査薬の使用または産婦人科を受診しましょう。

妊娠している場合は妊娠中でも飲める薬が望ましいので、吐き気があるからといって安易に市販薬などを使わないようにしましょう。

日常生活でよくある吐き気・嘔吐は、自然とよくなる場合がほとんどです。

しかし、繰り返す場合やよくならないときには一度内科の病院を受診しましょう。何らかの病気が隠れている可能性もあります。

吐き気・嘔吐の原因となる病気には
どんなものがある?

消化器の病気以外にもたくさんの病気があります!

発生頻度の高いもの、注意が必要なものを挙げます。

急に起こる吐き気・嘔吐

急性胃腸炎、食あたり

ウイルスや細菌の感染が原因で起こることが多い病気です。

ウイルスではノロウイルスやロタウイルス、細菌では黄色ブドウ球菌や病原性大腸菌などが有名です。

主な症状は吐き気・嘔吐のほか、下痢、腹痛、発熱などです。

周囲で同じ症状の人がいる、生ものや加熱不十分なものを食べた、海外旅行から帰ってきたばかりなどの場合は注意が必要です。

多くの場合2~3日安静にすれば症状は治まりますが、「水分が取れない」「下痢や腹痛が我慢できない」ような場合は、なるべく早く内科の病院を受診しましょう。

急性胆嚢炎

比較的頻度の高い病気で、吐き気・嘔吐のほか、右わき腹やみぞおちの鈍い痛み、発熱などの症状がみられます。

これらの症状は食後1~2時間ほど現れ、その後治まってしまう場合もあるので、病院に行かずに我慢してしまう方も多いのですが、進行につれて悪化していきます。

繰り返している場合には一度病院を受診しましょう。

腸閉塞(イレウス)

さまざまな原因により腸の一部の通りが悪くなり、便やおならが出なくなる状態を腸閉塞といいます。

吐き気・嘔吐のほかに、お腹が張る、便秘、腹痛などの症状がみられます。

過去にお腹の手術をしたことがある人に起こる危険が高く、また大腸がんが原因の場合もあるため、症状が当てはまる場合は早めに病院を受診しましょう。

脳や神経の病気

脳梗塞、脳出血・くも膜下出血、脳炎・髄膜炎など、脳や神経の病気の症状として、吐き気・嘔吐が現れている可能性もあります。

突然発症するのが特徴です。

吐き気・嘔吐のほかに、頭痛、しびれや麻痺、言葉がうまく話せない、意識がハッキリしない、高熱(脳炎・髄膜炎の場合)などの症状が見られる場合は、重大な後遺症や生命に関わる事態となる可能性があります!

救急要請も考慮した早急な医療機関受診が必要です。

片頭痛

女性に比較的多い頭痛で、頭の片側がズキンズキンと脈打つように痛みます。

光や音で頭痛が悪化するのが特徴です。

頭痛が起こる前に、吐き気・嘔吐、目の前がチカチカする症状が現れることがあります。

糖尿病性ケトアシドーシス

糖尿病による急性合併症の一つで、血液が酸性に傾いてしまった状態です。

喉の乾き、尿量が増える、全身のだるさなどに引き続いて発症し、進行すると、意識がぼーっとする、吐き気・嘔吐、腹痛、呼吸困難などが起こります。

早期の治療が必要です!

急性虫垂炎(盲腸)

お腹の右下辺りの盲腸の先についている虫垂という部分に炎症が起こる病気です。

吐き気・嘔吐のほかに、お腹の違和感、みぞおちやおへその痛みが現れ、次第に右下腹部へと痛みが移動するのが特徴です。

発熱や下痢を伴うこともあり、放置すると重篤な腹膜炎を起こす危険もあります。

これらの症状があれば早めに内科の病院を受診しましょう。

狭心症・心筋梗塞

心臓に酸素や栄養を運ぶ冠動脈が、動脈硬化などにより細くなったり詰まったりすることで起こる病気です。

胸が締め付けられるような痛みが典型的な症状ですが、初期のうちは吐き気・嘔吐を訴える場合もあります。

薬物、毒物、自然毒

抗がん剤や医療用麻薬など一部の薬には、副作用として吐き気・嘔吐が出やすいものがあります。

もし症状が出た場合には、医師や薬剤師に相談しましょう。

またタバコに含まれるニコチンや、一部のキノコに含まれる自然毒の摂取により、吐き気・嘔吐が起こることがあります。

長く続く吐き気・嘔吐

胃潰瘍・十二指腸潰瘍

ピロリ菌や非ステロイド系抗炎症薬の使い過ぎなどが原因で起こることがあります。

吐き気・嘔吐のほか、胃もたれ、胸やけ、みぞおちの痛み、吐血(進行した場合)などの症状が代表的です。

胃がん

胃にできる悪性腫瘍です。

胃がんになりやすいリスクとして、ピロリ菌感染、喫煙、野菜や果物の摂取不足などがあるといわれています。

自覚症状には、みぞおちの痛みや不快感、胸やけや食欲低下が多くの方にみられます。

めまいを伴う耳の病気

耳が原因で、めまいや吐き気が繰り返し起こる病気があります。

メニエール病や良性発作性頭位めまい症などがあります。

吐き気に加えてめまいがある場合には、一度耳鼻科を受診してみましょう。

うつ病、ストレス

うつ病は気分の落ち込みや、気力が出ない状態が続き、身体そのものに不調を感じることも多い病気です。

身体症状のひとつとして吐き気・嘔吐が現れる場合があります。

軽い吐き気から重篤な病気までさまざま!
実際どんなときに受診するといいの?

こんな症状があるときは直ぐに内科を受診しましょう!

  • 水分が一口も摂れない
  • 尿が出ない
  • 手足に力が入らない
  • 我慢できない強い腹痛がある
  • 我慢できない強い頭痛がある
  • 意識がぼーっとする、うわごとを言う
  • 血を吐いた
  • 最近、頭にけがをした

上のような症状がなくても、以下の場合は内科か消化器内科に相談してみましょう。

  • 嘔吐が24~48時間より長く続く
  • 数口分より多くの水分がとれない
  • 吐き気・嘔吐を繰り返し、なかなか良くならない

受診するときには、
次のことをお伝えください!

  • いつから起きている症状なのか
  • 1日何回程度の吐き気・嘔吐があるのか
  • 吐いたものの性状(色、臭い、血が混ざっているかなど)
  • 尿や便は出ているか、下痢かどうか
  • ほかの症状(脱水、皮膚の乾燥、のどの渇き、腹痛、頭痛、意識障害)はあるか

また、飲んでいるお薬があれば持参してください。

受診するほどではないけど・・・
吐き気があるときはどうすればよい?

まずは衣服をゆるめ、横になって安静にしましょう。

口の中が乾燥していると吐き気が強くなります。

こまめに水分を摂るか、口をゆすぐと良いでしょう。

吐き気があるときは無理に食べる必要はありません。

食べることによって、吐き気が誘発されることがあります。

吐き気が治ったら、うどんやお粥など柔らかいものを少量から食べるようにしましょう。

食後に横になる場合は、頭を高くし、身体の右側を下にしましょう。

消化が促され、吐き気が起こりにくくなると言われています。

ただし、胃の内容物が逆流しやすい方、逆流性食道炎の方は、食後すぐ横になると悪化する可能性がありますので、食後30分~1時間程度は背もたれのある椅子にゆったり座ると良いでしょう。

どうしても横になりたい場合は、頭を高くし、身体の左側を下にしましょう。

それでも吐き気治まらず、心配な場合はお気軽にご相談ください!

吐き気には、生活習慣や大きなストレスなど、さまざまな原因があります。

まずは、その原因を見極めることが大切です。

なかには命にかかわる場合もあります。

気になる場合はつくば市のB-Leafメディカル内科・リハビリテーションクリニックへお気軽にご相談ください!

つくば市のB-Leafメディカル内科・リハビリテーションクリニックでは、医師をはじめスタッフ全員のチームプレーで、みなさまの健康をお守りいたします。

駐車場もあり、お車で研究学園からもご来院していただけます。

ちょっとした身体の不調や、受診してよいか悩むような場合でもお気軽にご相談ください。

>> 医院紹介はこちら

参考資料

この記事の監修者

小野間先生写真

小野間 優介(おのま ゆうすけ)

B-Leafメディカル内科・リハビリテーションクリニック 院長

  • 日本プライマリ・ケア連合学会 家庭医療専門医取得
  • 日本医師会認定産業医
  • 茨城県難病指定医
  • 身体障害者福祉法指定医(肢体不自由)

--プロフィール--
2022年7月に茨城県つくば市にB-Leafメディカル内科・リハビリテーションクリニックを開業し、
『お身体の不調で困った時にとりあえず相談できるクリニック』
『生活期に改善を目指したリハビリを行えるクリニック』
『Web問診・オンライン予約・オンライン診療などを取り入れ、高齢者だけでなく働く世代もアクセスしやすいクリニック』
この3つの特徴で、皆様の健康を守り、『夢あふれる未来』を創り上げるお手伝いをしていきます。

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